日常には、小さなイラっとする場面が無数に存在します。
例えば、すれ違いざまにぶつかっても謝りもしない人。
大声で話す会社の同僚。
信号無視をする人。
きっと、今日もどこかで『小さなイラっ』とする場面があるでしょう。
しかし、この小さなイライラは、小さいが故に注意が必要。
イライラが小さいので放置しがちになりますが、あなたの脳はストレスによって血流に変化を起こします。
さらに、わたしたちの怒りの感情は突然沸点に達し、言いたくないことまで言ったり、したくないことをさせたり、自我を忘れさせてしまう危険な感情です。
しかも、怒りの感情はあとから湧いてもきますし、なによりしつこい。
以前のわたしは「怒ることで大切なものをたくさん失ってきてしまった」と感じてしまうことがあります。
『怒りをむき出しにしたせいで、チャンスを逃したのでは・・・』
中でもわたしがもっとも怒りとストレスで危険を感じたのは、謎の体調不良です。
イヤな気分をいつまでも引きずると、自分がどんどん損をするだけなので、できるだけ素早く怒りの感情は捨てましょう。
なので、この記事ではなかなか怒りが収まらないくて、そこそこイヤな気分を引きずってしまう人に向けて、怒りの感情を手放す方法をお話ししますね。
ちなみに、怒りの感情は【心】だと思っていませんか?
じつは、人の感情は脳が大きく影響しています。
「脳って…なんだかめんどくさそうだな・・・」と感じた方も大丈夫です。
この記事では、できるだけ簡単に脳のお話を混ぜながら、怒りの感情に支配されない脳の作り方をお話ししていきますので、最後までお付き合いくださいね。
怒りっぽい人とそうでない人の決定的な違い

怒りっぽい人の脳の血流を撮影したとき、怒りっぽい人は側頭葉に血流が集中していることがわかりました。
脳に違いがあったんです。
ちなみに、怒りを感じとるのは、側頭葉の奥にある【扁桃体】という部分。
この部分が過剰に反応すると、血流が集中し脳が怒りをうまく言葉で吐き出せない状態になります。
なぜなら、側頭葉は【言語】を発する部位だから。
つまるところ、言葉にできない怒りこそじつは、1番のストレスになります。
今は落ち着いたけど、思い返せば怒っている時って単純な言葉しか出てこないのも事実。
短気は危機に変わるから、自我は保ちたいところ。
怒りっぽい人は脳に負担がかかり過ぎて、うまく言葉にできずカッとなってしまいます。
一方、怒りっぽくない人は、脳全体にまんべんなく血が回り怒りを適切な言葉に換えるため、怒りを溜め込むことがありません。
では、どうしたら脳全体にスムーズに血を回すことができる脳になるのかというと「オキシトシン」というホルモンの分泌量を増やせばいいのです。
なので、いまからオキシトシンの増やし方を解説しますね。
イヤな気分を引きずらなくする方法
「オキシトシン」というホルモンが行動にブレーキをかけ、キレにくくさせてくれるホルモン。
大人になるにつれて、オキシトシンが減少してしまいホルモンバランスの乱れが原因で、すぐにキレてしまうことが起きるのです。
しかし、大人になってもオキシトシンを増やすことはできます。
それが、皮膚への刺激。
簡単に皮膚への刺激が行えるのがマッサージです。
マッサージが効果的な理由ですが、スウェーデンの学生を対象にマッサージの実験が行われました。
マッサージをする前と後では、マッサージをした方が成績が上がり、問題行動も減ったという研究結果があります。
なので、休日に空いた時間があるのならマッサージへGO。
医学療法に動物療法があるのも納得ですね。
散歩で五感を刺激する
運動習慣がいつまでも若々しい脳を保つのに効果的です。
その中でもお休みの日などはお散歩がオススメです。
散歩中の何気ない障害物だったり鳥のさえずり、風を感じたり匂いや足の感覚など五感を刺激することで脳が活発に働くようになります。
本当はすごい!森林浴でストレスを解消して免疫力を向上させる秘訣
いますぐできる五感を感じる方法
・耳(聴覚)
・手(触覚)
上記の感覚をいつでもどこでも感じれるようにします。
視覚を感じる方法
あなたの目の前に何がありますか?
見る対象はなんでも構いません。
机があるなら木目をただボーっと見るだけです。
その状態で、10秒数えてください。
では、次に耳を使います。
聴覚を感じる方法
テレビや音楽以外の周囲から聞こえる音に集中して、10秒数えてください。
無音でも無音を感じてください。
次は手を使います。
触覚を感じる方法
自分の右手と左手を握って、体温を感じたり皮膚の感じながら10秒数えてください。
わずか30秒…やらない手はないでしょう。
どんな場所でも「見て」「聞いて」「感じて」くださいね!
小さなことにイライラする人の特徴
じつは、怒りっぽい人って「自分は怒りを表に出すことがないので、怒りっぽい人間ではない」と思っています。
怒りっぽい人に見られる行動を3つほど出すので、当てはまっていないかチェックしてみてくださいね。
1つの手順にこだわる
自分の中の手順があり、それ以外の手順が入ってくるとイライラします。
旅行に出かけて到着後、「予定外の場所も回ってみよう」となったときに、『少し抵抗を感じる』という人は、このタイプに当てはまります。
「決まったやり方でやらなければ!」と強くこだわってしまう人は、じつは怒りっぽい人の可能性があります。
あとから「こう言えばよかった」と後悔する人
「あのとき、ああ言えばよかった」とか、「あとから言いたいことが他にもあった」と思う人は怒りっぽい性格です。
なぜなら、怒りをその場で適切な言葉にすることができなかった人は脳が怒りっぽい人よりだからです。
終わった場面を繰り返し思い出し、相手に対して言えなかった言葉をグルグルと考えてしまう。
結果、小さなイライラだとしてもある時、爆発してしまう引き金になったなんてケースはよく聞きます。
記憶力はいいと思うがなぜか忘れ物が多い
じつは、記憶力がいいということは、過去のイヤな出来事もいつまでも覚えていたりします。
一方で、家にスマホを忘れたり、出先に何か忘れ物をしたりと物に対して忘れがちになる人がいます。
記憶力がいいのに忘れ物が多い・・・この現象は怒りのせいで「記憶が飛んでしまっている」からです。
脳の扁桃体の横に【海馬】という部分があるのですが、海馬が記憶に関する部分なので『怒りを感じる扁桃体』と【記憶を整理する海馬】が近いために起こる現象なのです。

怒りを怒りであえて返さない方がいい理由
少し怒りっぽい人には耳の痛い話になりますが、気づきを感じることができるので、穏やかな気持ちで読み進めてくださいね。
人間には【シャーデンフロイデ】という感情があります。
有名人が不倫をして匿名の人から叩かれるのは、彼らが他人を貶める(おとしめる)ことを楽しんでいるから。
他人を不幸にして、自分の立ち位置が高まっているように感じるからです。
しかし、自分が高い位置に上がったというのは錯覚に過ぎません。
なので、シャーデンフロイデの傾向が強い人ほど、社会から孤立します。
なぜなら、他人が不幸になっているのを喜んで叩いているのにもかかわらず、「これは正義のためなんだ!」とすり替えていますよね?
「正義」は、状況や立場、文化や人によって変わります。
絶対の正義なんて存在しません。
しかし、シャーデンフロイデの傾向が強い人は、『自分は正義のために他人を叩いてる』と考えるので、歯止めがかかりません。
それは、自分の周りを鉄の柵で覆って誰も寄せ付けなくなり、やがて自分がその場から動けなくなるようなもの。
最終的には、現実世界でもネットの世界でも居場所がなくなり、身動きが取れないと気づいたときにはもうすでに遅いのです。
結果、ストレスが発散できなくなり、体調に異変が起こり苦しむのは本人です。
つまるところ、相手に対して怒りを怒りでぶつけてしまうと、最終的には自分に返ってくるということです。
つい相手に対して怒りをぶつけてしまうこと・・・あります(笑)
だって人間だもの。
とはいえ、この話を理解できたのなら、今日からはあえて怒りを怒りで返さないと心に刻みましょう。
短期が危機に変わる前に…
大きな視野で物事を捉えてみる
あなただけが苦労しているわけじゃない。
あなただけがイライラを発散できないわけじゃない。
世の中の大勢の人が、同じような悩みを抱えて今日も生きています。
じつは、あなたの「今日」は昨日、誰かが生きたかった「今日」だということを想像してみてください。
もうイヤな気分を引きずりながら過ごすのはやめましょう。
『どうしても気分が晴れない』そんなときは、お気に入りの香りを部屋一面にさせてみたり、運動をしてみると効果バツグンですよ。
運動は毎日の習慣になっているので、イライラすることが随分と減りました。
呼吸で怒りは抑えることができる
呼吸を整えれば、怒りは抑えることができます。
そう。呼吸だけで、怒りをコントロールできるようになります。
あなたは普段深く深呼吸をしていますか?
多分あまり深い深呼吸をしていませんよね・・・わかりますよ。
なぜなら、深い深呼吸は意識しないとやらないから。
でも怒りでストレスを抱えて体調を崩す前に、深く深呼吸することを日常に取り入れてくださいね。
瞑想の方法と呼吸のポイント
最後、寝る前に「見て」「聞いて」「感じて」をするだけで、1日の中で受けたストレス(イライラ)を浄化して脳内をスッキリすることができます。
怒りで眠れないということがなくなり、安眠できるようになり、睡眠の質もよくなりいいこと尽くしですよ。