いま、コンビニやドラックストアに行くと、多くの種類の栄養ドリンクやエナジードリンクが売られています。
特に暑い時期には毎日のようにCMが流れていますよね。
忙しい日が続いたときや、なんとなく体がだるいとき、今日は気合入れるぞ!そんなときに手が伸びる人が多いでしょう。
現在、栄養ドリンク・エナジードリンクの市場売り上げは年間数千億円にも上ります。
しかし、栄養ドリンク・エナジードリンクのほとんどは疲労回復効果が臨床試験で実証されているものはひとつもないってご存じですか?
栄養ドリンク・エナジードリンクでは疲労は回復しない!?
栄養ドリンクのパッケージには【タウリン〇〇〇〇mg配合!】なんてデカデカと書かれていて、「なんかわからないけど効きそう~!」と思って飲んでいませんか?
静岡県立大学の食品栄養科学部教授、横越 英彦さんの研究によると、タウリンは血中コレステロールの分解を促進したり、アルコールによる酩酊(めいてい)状態からの回復の促進作用の他に様々な臓器を機能させるために必要な栄養素と発表されています。
>横越 英彦さんの研究発表記事はコチラ
しかし、タウリンを摂取することで疲労回復効果があるということは科学的にいっさい証明されていないんです。
とはいえ、栄養ドリンクを飲んだ後に『頭がスッキリして目がさえた!』と感じ、疲れが軽減されたと感じる人もいるでしょう。
でもこれは、タウリンによる疲労回復ではなく、ドリンクに含まれている大量のカフェインの覚醒作用と、微量のアルコールによる高揚作用によるものです。
栄養ドリンクとエナジードリンクの違いとは
栄養ドリンクとエナジードリンクとの差は『医薬品・医薬部外品』の表示があるかないか、それだけです。
医薬品・医薬部外品には効果や効能が記載でき、そうでないものは『清涼飲料水』として販売されます。
栄養ドリンク・エナジードリンクは元気になった『気がする』だけ!
栄養ドリンクに含まれている高濃度カフェインが、過度な活性化や依存症を引き起こすとして、海外では問題視されるようになってきているのをご存じですか?
近年、アメリカでは栄養ドリンクの過剰摂取が問題になっていて、2013年には、アメリカ食品医薬局(FDA)が栄養ドリンクの安全性を調査したところ、約160件の気分不良や顔面紅潮、睡眠障害や体重減少などのほか、悪心、血圧不安定や心筋梗塞、心停止、血中カフェイン値の上昇が報告されています。
その中には死亡例もいくつかあります。
この数字は、消費者からの報告報告、企業からの報告によるものなので、実際はもっと多くの人が被害にあっているでしょう。
このような報告が上がっているエナジードリンクが、何種類も日本に渡り、多くの人に飲まれています。
現在、日本では誰でも買えるようになっていますが、子供が誤って飲まないために早急に見直すべきだと思います。
栄養ドリンク・エナジードリンクは【疲労回復アイテム】ではない】
そもそもなんですけど、栄養ドリンク・エナジードリンクは疲労回復をするものではなく、一時的に疲れをごまかすものなんです。
どうしても徹夜をしなければいけないときなど、一時的な頑張りどきに使うことは悪くありません。
ですが、かならず後日に”ツケ”は回ってきます。
栄養ドリンク・エナジードリンクを飲んだ次の日は、しっかり休むようにすべきです。
休めないなら、飲まない。
栄養ドリンク・エナジードリンクは、日常的に摂取するものではないし、長期に渡って飲むなんてもってのほかです。
目をシャキっと覚ましたいなら、他にオススメの飲み物がありますよ。
栄養ドリンク・エナジードリンクの代替えに【コーヒー】
むかしは『コーヒーを飲み過ぎてはいけない』なんて言われていたものです。
たしかに、コーヒーに含まれているカフェインは、取り過ぎるとよくありません。
ちなみに、栄養ドリンク・エナジードリンクには1本で120㎎のカフェインが含まれているものもあります。
コーヒー1杯に含まれているカフェインの量は25~50㎎程度です。
1日のカフェインの摂取量の限界値は決められていませんが、200㎎は超えない方がいいでしょう。
カフェインレスのコーヒーであれば、上限は気にしなくてもいいですね。
以前は『飲みすぎ注意』なんて言われていたコーヒーですが、化学が進んだ現代では『1日に3~4杯のコーヒーを飲んでいる人は心疾患の死亡リスクが36%下がる』というデータがあります。
しかし、これには裏があるんです。
昔はコーヒーを好んで飲んでいる人の中にはタバコもよく吸っていた人も多かったんです。
そのため、コーヒーがガンになる直接の原因になっているかの信ぴょう性は疑わしいのです。
栄養ドリンク・エナジードリンクの代替えに【甘酒】
甘酒は『飲む点滴』と言われるほど、栄養のバランスがいいんですよ。
ビタミンB群、葉酸、食物繊維、ブドウ糖なども豊富に含まれていて、まさに疲労回復にはもってこいなんです。
お寺の近くの茶店によくあるよね。
江戸時代には夏に体力を回復させる飲み物として大活躍してました。
甘酒はスーパーでも売られていますが、米麹があれば炊飯器で作ることもできるんですよ。
冷やして飲んでも、温めて飲んでも美味しく飲めます。