毎年5月ごろにやってくる『住民税』・・・
払わないでいいなら・・・
「正直払いたくない!!!」
これが本音ですよね。
日本に住むための国民の義務なのでもちろん納めていますがね。
住民税は総所得から様々な数字をかけて割り出し、その年1年の住民税が決定されます。
通知書の裏には住民税の計算方法が載っていますが文字が小さいし、たくさん書いてあるので計算を始める前からあきらめてしまう方も多いかもしれません。
まずあの敷き詰められた文字を見ただけで、もう読むのをイヤになりそうなのに・・・。
さらに、計算方法もちょっとフクザツ・・・。
でも、住民税の計算方法を理解すると・・・
住民税を減らす方法がわかるのです!
本記事では『住民税の計算方法と住民税を減らすポイント』についてくわしく解説をしていきます。
あなたの住民税の決定通知書(わたしのものでいうと給与所得等に係る市民税・府民税 特別徴収税額の決定通知書)で当てはめながら住民税について理解を深めて、節税をしていきましょう!
知らないと多くを支払うことになる!
住民税とは?
住民税は『市町村民税と道府県民税』を合わせたもののことをいいます。
北海道の方なら道府県民税の部分が『道民税』
東京の方なら『都民税』
京都・大阪の方なら『府民税』となります。
住民税は人の手で計算されているので、ときには間違った金額で請求されていることがあります。
そうした場合は、自分で問い合わせをしないとあなたが損をしてしまいます。
毎年住民税の決定通知書が来たら、支払い金額が間違っていないか自分で計算する習慣をつけよう。
住民税の計算方法をわかりやすく解説
手元に『特別徴収税の決定通知書』をご用意ください。
まずはさらっと住民税の金額を計算する方法を説明します。
その後にどこで住民税を抑えるかのお話をしていきます。
住民税の計算方法【共通】総所得③を割り出す

総所得の調べ方は、上記の赤枠部分を使います。
『総所得金額①』から『所得控除合計②』を引いたものが『総所得③』になります。
総所得金額① - 所得控除合計② = 総所得③
この『総所得③』を元に市町村民税・道府県民税の計算をしていきます。
市町村民税の計算方法
ここから市町村民税と道府県民税を別々に計算していきます。

市町村民税は『総所得③』と上記の赤枠の部分を使って計算します。
税額控除前所得割額④(市町村)を割り出す
『総所得③』に税率(市町村)を掛け算して市町村民税の『税額控除前所得割額④』を割り出します。
市町村の税率で計算しましょう。
住民税の決定通知書の裏にあなたの市町村の税率が記載されています。
また『あなたの市 税率』でインターネット検索をすると知ることができますよ。
総所得③ × 税率(市町村) = 税額控除前所得割額④(市町村)
所得割額⑥(市町村)を割り出す
『税額控除前所得割額④』から『税額控除額⑤』を引いたものが『所得割額⑥』になります。
税額控除前所得割額④ - 税額控除額⑤ = 所得割額⑥
市町村民税を割り出す
『所得割額⑥』に『均等割額⑦』を足したものが『市町村民税』になります。
所得割額⑥ + 均等割額⑦ = 市町村民税
東日本大震災の復興を図る目的で令和5年まで市町村民税・道府県民税それぞれに加算されて徴収される。
※金額は住んでいる地域によって変わります。
道府県民税の計算方法
次に道府県民税の計算をします。

道府県民税は『総所得③』と上記の赤枠の部分を使って計算します。
税額控除前所得割額④(道府県)を割り出す
『総所得③』に税率(道府県)を掛け算して道府県民税の『税額控除前所得割額④』を割り出します。
総所得③ × 税率(道府県) = 税額控除前所得割額④(道府県)
道府県の税率で計算しましょう。
道府県民税の税率は住んでいる場所によって変わります。
住民税の決定通知書の裏にあなたの道府県の税率が記載されています。
また『あなたの道府県 税率』でインターネット検索をすると知ることができますよ。
所得割額⑥(道府県)を割り出す
『税額控除前所得割額④』から『税額控除額⑤』を引いたものが『所得割額⑥』になります。
税額控除前所得割額④ - 税額控除額⑤ = 所得割額⑥
道府県民税を割り出す
『所得割額⑥』に『均等割額⑦』を足したものが『道府県民税』になります。
所得割額⑥ + 均等割額⑦ = 市町村民税
住民税を割り出す
『市町村民税』と『道府県民税』を足し、『控除不足額⑨』を引いたものが『住民税』になります。
市町村民税 + 道府県民税 - 控除不足額⑨ = 住民税
住民税の決定通知書とあなたが計算した住民税の金額は同じになりましたか?
サラリーマンが住民税を安くさせる方法
住民税の計算を自分で行うと、どこを変えれば住民税が安くなるかわかりましたよね?
サラリーマンが住民税を安くするには『所得控除合計②』と『税額控除額⑤』をどれだけ増やすかにかかっているんです!
言い方を変えると、『所得控除合計②』と『税額控除額⑤』でしか住民税を安くする方法はありません。
では、『所得控除合計②』と『税額控除額⑤』の中身を見ていきましょう。
所得控除合計②の中身とは
『所得控除合計②』は下記のものが適用されます。
・医療費
・社会保険料
・小規模企業共済
・生命保険料
・地震保険料
・障・寡・勤
・配偶者
・扶養
・基礎
ただし、所得金額が200万円以下の場合、『所得金額×5%』を超える医療費を申告できる。
また、ドラッグストアなどで購入した医薬品の代金を控除の対象にする『特定一般医薬品等購入費』もあります。
医療費の所得控除は自分で申請しないと受けることができません。
医療費控除について下記でくわしく説明しています。
社会保険ってどんな制度?何のサービスが受けられるの?【1人で生涯いくら払うのか】
支払い金額によって控除額が異なる。(住民税の決定通知書の裏に控除額の記載があります)
支払い金額によって控除額が異なる。(住民税の決定通知書の裏に控除額の記載があります)
配偶者の年収が48万円以下が条件。
納税者の『総所得③』によって控除額が異なる。(住民税の決定通知書の裏に控除額の記載があります)
納税者・配偶者の年収によって金額が異なる。(住民税の決定通知書の裏に控除額の記載があります)
納税者の所得金額によって異なる。
納税者の所得金額 | 控除額 |
---|---|
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
自分に当てはまる所得控除がないか必ず確認しましょう。
医療費控除とは
『総所得③』が200万円以上の場合は10万円を超える医療費が発生した場合、上限200万円まで控除の対象になる。
『総所得③』が200万円以下の場合は『総所得③』×5%を超える医療費が控除の対象となる。
医療費というのは病院の診察代だけでなく、以下の者も対象になります。
2.治療や療養のための医薬品の購入代金
3.病院・診療所・介護の入院代・入所代
4.治療を目的としたはり・きゅう師や指圧師、柔道整復師の施術費(医療控除に含まれるか医院で確認した方がいいです)
5.在宅療養などで看護師や保健師以外の方にお世話をお願いした時の支払い(身内は対象外)
6.出産の介助費用
7.介護費用
8.診療や治療を受けるためにかかった費用。入院(部屋・ベッド(差額ベッド代は除く)・食事費用)診療を受けるために使用した公共交通機関の運賃、補聴器、松葉杖、義足など各種医療用器具の購入費用
9.介護保険制度のもとで提供された施設・居宅サービスの自己負担額
医療費控除の対象になる・ならないの線引きは『治療か予防』の差です。
病院かかってる場合、この治療は医療費控除の対象になるかお医者さんに確認してみるとよいでしょう。
1年間で医療費が控除の対象金額に達していない場合、次は『特定一般医薬品等購入費(セルフメディケーション税別)』が対象かどうかを確認しましょう。
特定一般医薬品等購入費とは
『特定一般医薬品等購入費(セルフメディケーション税制)』とは、医師によって処方される医薬品やドラッグストアで買った風邪薬(OTC医薬品)などの合計金額から1万2千円を引いた金額が控除されます。(8万8千円上限)
注意してほしいのが、ドラックストアで買ったすべての薬が『セルフメディケーション税制』の対象にはなりません。
ドラッグストアの商品には、このようにパッケージに『控除対象』と書かれているものありますが、控除対象の表示は義務ではないので、対象と書かれていなくても控除の対象になる医薬品もあるので店員さんに確認を取るのがいいでしょう。
また、レシートでも控除の対象になる商品に記載があります。
どちらか1つになります。
税額控除額⑤の中身とは
『税額控除額⑤』とは、『調整控除/配当控除/住宅借入金等特別税額控除/寄附金税額控除/配当割額または株式譲渡所得割額の控除』の合計額である。
その理由は、配当金は課税されたのちに分配されるので、そこに所得税や住民税が乗ると2重課税になってしまうため。
配当金控除額は種類や課税所得金額により異なります。(住民税の決定通知書の裏に控除額の記載があります)
住宅ローンのローン残高の1%を10年間控除できる。
ふるさと納税もここに含まれる。
控除額がとても大きいので必ず申請しよう。
ふるさと納税についてはコチラの記事↓
いくら買うのが正解?ふるさと納税の限度額の調べ方【知らないと損をするふるさと納税】
調整控除とは
調整控除とは、平成19年に国から地方へ税源が移譲したことに伴い生じる個人市民税・県民税と所得税の人的控除の差額に起因する負担増を調整するための控除をいいます。 ※令和3年度以降、合計所得金額が2,500万円を超える方は、調整控除が適用されません。
合計課税所得金額とは
「合計課税所得金額 」とは、課税総所得金額(給与・年金・営業等・不動産などの所得から、社会保険・生命保険・扶養控除などの控除を差し引いた金額)+課税退職所得金額+課税山林所得金額のこと。
つまり、本記事でいう『総所得③』のことです。
わたしたちサラリーマンが住民税を減らすためにできること
一般のサラリーマンが住民税を減らすためにできることといえば『医療費控除かふるさと納税』くらいでしょう。
医療費と言っても、持病がない限り年間の医療費が10万円を超えるのは難しいと思うので、1万2千以上で控除を受けられる『セルフメディケーション税制』を狙いましょう。
自分で支払っているものは自分で確認し最低限の支払いで済むようにしましょう!
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