あなたは相手のウソを見破る術を持っていますか?
人を信じる気持ちは素晴らしいものです。
でも、なんでもかんでも信じていたら、裏切られるたびにあなたが傷ついてしまいます。
人と付き合っていく中で、いくつかのウソを見破る方法を知っておいても損はありません。
本記事では、以下のことについてくわしくお話しています。
■見分けにくいウソつきの特徴
■ウソには種類がある【男女別ウソをつく理由】
【心理学から学ぶ】表情からではわからない!相手のウソを見破る方法
本やインターネット上ではよく顔の動き・・・表情からウソを見破る方法が紹介されていますが(例えばまばたきが多いと怪しい、とか)じつは表情よりももっと見分けやすいところがあるんです。
それが、しぐさです。
人は表情よりもしぐさにウソが現れます。
人のコミュニケーション能力は、言葉に続いて『1顔・2手・3足』の順番で優れているといわれます。
やっぱりウソは表情から見抜くってこと?
これには理由があります。
『感情や意思がもっとも現れやすいのは表情』と言いましたが、わたしたちは思ったことを100%顔に出さないですよね。
時と場合、相手によってある程度怒っていても笑えるし、面白いと内心思っていても無関心を装えます。
そう、ポーカーフェイスです。
感情や意思の表しやすさ第1位の表情は、自身で制御できる部位、第1位とも言えるんです。
『目が斜め上に泳いでいるときは言い訳を考えているとき』などは、多くの人が知っていると思います。
つまり、ウソをつく人もこの動きをしたらウソをついているとバレる、ということを知っている可能性が高いということです。
なので、表情からウソを見破るというのはなかなか難しいということになります。
ウソのサインが出やすいのは、『1足・2手・3顔』と順番が逆に。
これはウソをつく側の人の心理を考えれば理解できるんですよ。
ウソをつく人は、ウソがバレないように、表情に気を付けます。
器用な人は、相手の目に付きやすい手の動きも意識します。
しかし、大抵の人は足の動きにまでは気が回らず、そこに本音が出てしまうのです。
ウソのサインの見つけ方
ウソをついているときの様子を第三者からどのように見えるかを調べた実験があります。
ウソをついている人を撮影した映像を3つのグループに観察してもらいました。
Aグループ
首から上だけの映像

・ほがらか
・人が良さそう
・正直者
Bグループ
首から下だけの映像

・神経質に見える

・行動力がありそう
実験の結果
映像の人がウソをついていると感じたのは、首から下だけの映像を見たBグループだけでした。
全身の映像を見たCグループは、ウソをついている人に見られる『落ち着きのなさ』を『活発』と誤解した。
これにより、表情よりもしぐさに注目した方が、相手のウソを見破れるといえます。
この実験結果と普通に話しているときの様子とでは何が違うかを比べた結果、ウソをついていると足の動きが多くなっていることがわかりました。
足をしきりに組み替える・貧乏ゆすりをする。
全体的に動作に落ち着きがなくなり、ソワソワした感じになっていました。
他にも手を握ったり、ポケットに手を入れて、手を隠そうとする傾向もあります。
また、手で鼻や口の周囲に触れるしぐさも目立ちます。
これは自分を守ろうとする行動で、心理学では自己親密行動といいます。
一方で話し方は、ウソをついている方が意外にも滑らかになっていました。
「言葉に詰まると疑われる」という意識が働くため、相手の言葉に対する反応がいつもより早くなります。
また、ボロが出ないように手短に話そうとしたり、必要以上のことは口にしないようになります。
ただし、話し方については個人差があります。
『ウソをついているときはこうなる』という枠組みに当てはめるのではなく、『いつもと何か違う』という違和感を基準にするとウソを見破れるでしょう。
見分けにくいウソつきの特徴
世の中にはウソをつくのが上手な人もいます。
話す態度は自信満々なのに、その内容はまったくのウソ・・・なんてこともあります。
詐欺師の多くがそうですよね。
一般に、次のようなタイプの人のウソは見分けにくいとされています。
・思い込みタイプ
・お気楽ウソつきタイプ
良心が欠如しているタイプ
『悪いことをしている』と感じると、おおよその人は言動が不自然になります。
性格的に罪悪感が欠如している人は、ウソをつくことを悪いと思っていないので、言動に不自然さはなく、ウソをついていると見分けにくいのです。
思い込みタイプ
本当はウソなのに、自分でもウソと思っていないタイプです。
これは相手だけではなく、自分自身もあざむくウソをついているので、本人に指摘したところで認めることはないでしょう。
虚言症(根も葉もないことを本当のことのように語る)もこれに当てはまります。
本人が真実だと信じ込んでいるため、当然罪悪感はありません。
話の内容に矛盾や違和感を感じない限り、ウソを見破るのは難しいでしょう。
お気楽ウソつきタイプ
『歯を磨いていないのに磨いたと言う』ような小さなウソから大きいウソまでを日常的についているうちに、バレることなんて気にせず気楽にウソをつくタイプです。
生活の中にウソが根付いているこのタイプは、言動にも不自然さがなく見破るのが困難になります。
ウソには種類がある
【ウソ】というと【悪】となりがちですが、リップサービスのように相手に迷惑をかけないウソもあります。
ウソも場合によっては人間関係を円滑にする効果があるんです。
日本で行われた大学生と社会人を対象に行った【ウソをつくときの心理】の調査結果を紹介します。
大学生163人(男性106人・女性57人)社会人(男性37人・女性26人)を対象に、ウソをついた経験について答えてもらい、その内容を次の12パターンに分類しました。
きっと「わたしは人にウソなんかつかない!」というような人でも、思い当たるものがいくつかあるハズです。
①予防線
行先や目的地を偽るなど、予想されるトラブルを避けるためにつくウソ。
②その場しのぎ
守る気がなくても「わかった」と答えて、その場をしのごうとするウソ。
③合理化
「家を出ようとしたら勧誘が来たんだ」「電車が遅れて・・・」など約束を守れなかったときなどに口にする言い訳。
④見栄
自分を良く見せたいためのウソ。
⑤利害
金銭が絡んでいる場合で、自分の利益を得るためのウソ。
⑥思いやり
真実を話すと相手を傷つける可能性があると考えてつくウソ。
⑦引っ掛け
冗談や、からかうためのウソ。
⑧罪を隠す
ミスや悪事を隠すためのウソ。
⑨甘え
自分を感情的に理解したり、擁護したりしてほしいというとを含んだウソ。承認欲求からくるウソ。
⑩能力・経歴
自分の能力や経験を必要以上に高く言うウソ。
④の見栄と近いものがあります。
⑪約束破り
何らかの理由で約束を守れなかったときにつくウソ。
ただし、意図的とは限らない。
⑫勘違い
知識不足や勘違いで結果としてウソになってしまうもの。
人はどんなウソをつくのか
以下の画像は先ほどあげた12の項目を男女別でグラフにしたものです。

ウソの内容を見ると、『予防線』や『その場しのぎ』など、保身のためのウソが男女ともに高くなっています。
『利害』や『見栄』に絡んだウソは男性が、『合理化』や『思いやり』のウソは女性が多いのも特徴です。
ウソは人間関係を円滑にする?
以上は当人が『ウソ』と自覚しているものについて答えてもらったものなので、自覚していないウソについては含みません。
結果からは『予防線』や『その場しのぎ』『合理化』など、保身や人付き合いのためのウソが多いことがわかりますね。
ウソを肯定するつもりはありませんが、人間関係を円滑にするための必要なウソがあるのもまた事実なのです。